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コロナ禍の影響で、外国人労働者に対する不当な雇い止めや差別待遇が深刻化している。生産年齢人口が急減する日本。問題を放置すればコロナ収束後、貴重な働き手を失うことになる。

 コロナ禍による経営環境の悪化を理由にした外国人労働者への差別的な扱いが相次いで報告されている。不当に雇い止めにしたり、十分な休業補償をしなかったりする例だ。慢性的な人手不足を解消するための“救世主”として政府は外国人労働者の受け入れ拡大にかじを切ってきたが、労働現場では「雇用の調整弁」に利用されている実態が改めて浮き彫りになった。

 日本が生産年齢人口(15~64歳)の急減に対処するには、海外からの労働力の調達は避けられない。日本の生産年齢人口は約7500万人(2019年10月時点)だが、40年には約6000万人にまで減少する。首都の人口に匹敵する人数が、今後20年で失われる計算だ。

 そこで18年12月に出入国管理及び難民認定法(入管難民法)が改正され、19年4月から在留資格に「特定技能」が加わった。一部の専門職や技能実習生などに限られていた就労の門戸を広げ、製造業や外食、介護など14の分野で、日本語能力と分野ごとの技能の試験をパスすれば5年間日本で働ける。

 だが、コロナ禍による移動制限や求人需要の急減によって、外国人労働者の受け入れ拡大政策は腰を折られてしまった。特定技能の在留資格を持つ人を5年で最大34万人余りにするという国の計画に対し、6月末時点では約6000人にとどまる。