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政府や金融機関による企業の資金繰り支援が進んでいる。ただ肝心なのは融資後。企業の財務が改善しなければ、コロナ金融支援に投じた資金が不良債権の山になりかねない。

 「返済に困って焦げ付く融資案件が積み上がってもおかしくない」。ある大手銀行社員は企業から殺到した融資要請と、その資金状況の厳しさに不安を感じている。東京商工リサーチによると、6月8日時点で、上場企業171社による金融機関などからの資金調達額は9兆6758億円に達した。メガバンク、地方銀行では、上場、非上場を含めて返済猶予、低利融資の申し込みがひっきりなしだ。

 12日に成立した2020年度第2次補正予算では、企業の資金繰り支援に11兆6390億円を充てることが決まった。政府は日本政策投資銀行などを通じた「劣後ローン」による財務基盤の支援強化に踏み切る。劣後ローンは利息が高いものの返済順位が低く、格付け機関によっては資本と見なす。資本不足を解消できるため、民間でもメガバンク、地方銀行が相次いで劣後ローンによる資金支援を表明している。