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 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議への風当たりが強い。対策の遅れなどの責任を問う声も上がるが、本来は純粋な助言機関。批判の矛先は、首相率いる対策本部に向けるべきだ。

 緊急事態宣言の延長が決まった5月4日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は記者会見を開き、国民が今後実践すべき「新しい生活様式」などの提言内容や、PCR検査数が伸びなかった理由に関する見解を説明した。これに対してSNSなどでは、「言い訳をしている」「無責任だ」などと批判的なコメントが飛び交っている。しかし、批判の矛先が間違っていないだろうか。

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、新型コロナウイルス感染症の対策について医学的な見地から助言などを行うため、安倍晋三首相が本部長を務める新型コロナウイルス感染症対策本部の下に設置された会議体だ。

 通常、この手の会議体は文字通り、専門的な立場から施策などに関する提言を行ったり、報告書を提出したりするだけなのだが、専門家会議の尾身茂副座長は安倍首相の会見に同席するようになった。加えて、専門家会議も独自に記者会見を行い、「人との接触を8割減らす10のポイント」や、「新しい生活様式の実践例」などを国民に向けて直接語りかけた。