緊急事態宣言下で企業決算の発表が始まった。延期も相次ぐ中、危機への備えや揺るがぬ経営方針を示し減益でも株高につなげる企業がある。コロナ禍で経営者の選別が強まっている。

 緊急事態宣言後の決算で市場関係者の印象に残ったのは、4月9日に会見を開いたファーストリテイリングの柳井正会長兼社長だったに違いない。

 2019年9月~20年2月期の最終利益は前年同期比12%減り、売上収益も5%減。20年8月期通期の連結純利益の見通しは前期比38%減の1000億円とした。従来予想から650億円の下方修正で、4年ぶりの減益となる。

 それでも翌10日の株価は一時6%高まで買われ、終値も前日比2.6%高となった。新型コロナウイルスの影響が一服している中国事業の回復期待が広がっただけではない。先行き不透明感が強まるなか、足元の状況と今後の見通しをはっきりと示したことが投資家に好感されたようだ。

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