新型コロナウイルスの感染が拡大する中、トランプ米大統領が中国を敵視する姿勢が際立ってきた。外国を非難することで有権者の票を得ようとする動きは歴史を通じて繰り返されている。

 「(新型コロナウイルスが)『チャイナ(中国)ウイルス』と呼ばれることについて、とても腹が立っている」。4月上旬、女子フィギュアスケートの長野冬季五輪銀メダリスト、ミシェル・クワン氏は米スポーツ専門局のインタビューでこう怒りをあらわにした。

 新型コロナウイルスを「チャイナウイルス」や「武漢ウイルス」と連呼してきたのはトランプ大統領だ。批判の声に対し、「ウイルスが中国から来たのは事実。これは差別ではない」などと主張。大統領のこうした発言を背景に、米国では、学校で中国人を含むアジア系の児童がいじめられたり、大人でさえも侮辱されたり、つばを吐きかけられたりするような事件が相次いだ。クワン氏はこのような差別に憤っている。

 アジア系米国人に対する差別の拡大には厳しい声が出始め、最近になってトランプ大統領は、チャイナウイルスという言葉を使わなくなってきた。

 それでも4月に入り、米情報機関が「中国当局が感染者数と死者数を過少に報告していたという分析をまとめ、ホワイトハウスに提出した」と報じられると、トランプ大統領は、中国の新型コロナウイルスの感染状況に関する統計は「少ない」とコメントした。

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