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 新型コロナウイルスの感染拡大に大揺れの日本経済。経済運営が「危機モード」に入る一方、テレワークの浸透など変化の芽も出てきた。「守り」を固めつつ、変革を後押しする政策も重要だ。

 「わずか1カ月でここまで経済や社会の風景が一変するとは、想定外だ」

 経済産業省幹部がこう漏らすほど、新型コロナウイルスの感染拡大は猛スピードで世界に衝撃を与えている。米国のダウ工業株30種平均が最高値を付けたのは今年2月12日のこと。わずかひと月ほどの間に世界の金融・証券市場は大きな混乱に見舞われ、世界同時不況入りが現実味を増してきた。

 ヒト、モノの動きが停滞したことで企業の国際的なサプライチェーンはきしみ、日本国内の影響は製造業から交通、観光、飲食など幅広い業種に及ぶ。さらに世界保健機関(WHO)が3月11日、新型コロナの感染拡大を「パンデミック(世界的な大流行)と見なせる」と表明し、経済活動の停滞がさらに深刻化するとの懸念が強まっている。

 こうした事態を受け、安倍晋三政権の経済運営は「危機モード」に転換した。政府は2度の緊急対応策で中小企業の資金繰り対策などを用意したが、これらは当面の対症療法にすぎない。2020年度当初予算案の成立を急ぎ、4月に消費喚起策などを柱とする大型の追加経済対策を取りまとめる考えだ。