米国のアップル、グーグルの親会社、マイクロソフト、テスラなど5社が児童労働で訴えられた。調達先を含む終わりなきESG(環境・社会・ガバナンス)対応が求められる時代が到来している。

 アフリカ・コンゴのコバルト鉱山で児童が劣悪な環境で危険な労働を強いられている問題に加担している──。

 2019年12月中旬、GAFA(グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)の一角であるグーグルの親会社のアルファベットとアップルに加え、マイクロソフト、デル、EV(電気自動車)大手のテスラが、児童労働によるケガや死亡に伴う損害賠償を求める集団訴訟を人権団体から起こされた。

 5社が直接、児童労働させているわけではなく、生産委託先の工場が児童労働をさせているわけでもない。それなのに、なぜ訴えられたのか。

 コバルトは、様々な携帯機器やEVに搭載されるリチウムイオン電池の電極に使われるレアメタルだ。「この電池を搭載するスマートフォンやノートパソコン、EVを販売する5社は、児童労働をさせている鉱山を支援していることになり、責任がある」。訴訟を起こした米人権団体のインターナショナル・ライツ・アドボケイツはこう主張する。

 完成品メーカーの直接的な取引先のさらに先にある源流にまで遡る形で、5社の“使用者責任”が問われているのである。

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