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パルコは11月22日、建て替え中だった「渋谷パルコ」を新装開業した。独自色の強いテナント構成は、流通関係者の間でも評価が高い。原点回帰とも取れる渋谷パルコから、ネット通販時代の店舗の在り方が見えてくる。

 昆虫料理を食べられるレストランにクラウドファンディングサイトのショールーム、eスポーツを観戦できるカフェ──。約3年間の建て替え期間を経て11月22日に新たに開業した渋谷パルコには、一般的な商業施設とは一線を画すテナントが入った。

 渋谷では駅前の再開発が進んでいる。11月1日には複合ビル「渋谷スクランブルスクエア」が開業。12月5日には商業施設「東急プラザ渋谷」を中心とするビル「渋谷フクラス」がオープンした。公園通りに位置する渋谷パルコは駅からの利便性で言えば、駅前の再開発で誕生した新たな商業施設に劣る。そのため、独自色の強いテナントを誘致したほか、イベントスペースなども設けて、わざわざ足を運んでもらうための仕掛けを詰め込んだ。

 新奇性に富んだ渋谷パルコに対する流通関係者の評価は高い。

 「導線が分かりづらく、売り場の構成も従来の常識から見ればめちゃくちゃだが、それが新しさを感じさせる」。西武百貨店出身で雑貨チェーン、ロフト社長も務めた内田雅己氏はこう話す。どこに何が売っているかを分かりやすくして、目的の商品を短い時間で買えることを目指すのではなく、あえて来店客が迷うような売り場作りをしているとの分析だ。