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政府が社会保障改革の司令塔となる会議を9月に立ち上げた。次期衆院選をにらみ給付と負担の大幅見直しに慎重な姿勢が鮮明だ。財務省などの関心は早くも次の改革論議に移りつつある。

 「全ての世代が安心できる社会保障制度を大胆に構想していく」

 10月4日の所信表明演説。安倍晋三首相は新たな社会保障改革論議に関し、意気込みをこう強調してみせた。

 全世代型社会保障への改革を看板政策に掲げる安倍政権は第1弾として消費増税の使い道を見直し、幼児教育・保育や高等教育の無償化の実現に動いた。その一方で、年金や医療など高齢者に関する制度改革論議は今夏の参院選への影響を考慮し、先送りしていた。

 新たな改革を検討するため政府が9月20日に立ち上げたのが、安倍首相をトップとする「全世代型社会保障検討会議」。首相官邸主導で議論の方向性を示す体制を整え、与党と調整しながら具体的な改革案を詰める段取りを描く。

 これまで政府は消費税率の引き上げを柱とする2012年の「社会保障と税の一体改革」を推進してきた。新たな改革論議をスタートさせたのは、人口が多い団塊の世代が75歳以上になり始める22年度から社会保障費の膨張が見込まれているためだ。