消費増税に伴い、ポイント還元とプレミアム付き商品券販売による景気維持策が始まった。いずれも「どうせ買うもの」の消費を刺激するが、新たな需要を喚起する効果には至らないだろう。

 消費税率アップ後、初めての週末となった5日。埼玉県川口市の衣料品店を訪れると、店員は忙しそうだった。

 「商品券があると全然違う。高齢者も子育て世代のママも使ってくれる」。この店員がありがたがる「商品券」とは、市の商工会議所や商店街連合会が独自に発行する額面上乗せ商品券のこと。1日に今年度の利用期間が始まった。市の補助を受け、市内の加盟店で券の購入額に10~20%を増やした額の買い物ができる。

 川口市は1998年にこうした独自の商品券を取り入れた。一時中断する期間もあったが、市民には定着しているようだ。茶葉店の店主は「川口は20年前から商品券があるので、みんな使い慣れている」と話す。同様の商品券はほかの一部の自治体でも存在したが、同市の場合、大型店も対象にして市が高額の補助金を出すことで話題になった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1218文字 / 全文1668文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「ニュースを突く」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。