今夏は認知症への対策を促す動きが目立った。政府が新大綱を決めて国として取り組む姿勢を示し、与党も基本法案を国会に提出した。治療も予防も前に進まない現状を打開できるか。

 家族に「どちら様?」と聞き、食事後に「ごはんはまだ?」と言い始める。季節外れの服を着て真夜中に散歩に行こうとする──。認知症患者が周囲にいる人が増え、職場や地域で頻繁に話題に上るようになった。しかし多くの人は数年前まで、今ほどの関心を持っていなかったのではないか。それが変わったのは2015年1月、厚生労働省が患者数が25年に約700万人になるとの推計を公表した時からだと言われている。

 この年の5月には、医療や介護など認知症に伴う社会全体のコストは年間14.5兆円で、その後も増え続けるとの学術研究も明らかになっている。認知症患者が増えて高コストになる社会を想起させ、官民を挙げた対策が必要だという機運が高まった。

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