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東京電力ホールディングスが7月末、福島第2原子力発電所の廃炉を決めた。2011年3月の東日本大震災前に54基あった原発の約4割が廃炉となるが、エネルギー政策は迷走が続く。

 「廃炉工程をできる限り短縮し、使用済み核燃料の早期搬出に努めます」。7月末、東電ホールディングス(HD)の小早川智明社長は福島県庁を訪れ、内堀雅雄知事に福島第2原子力発電所の廃炉を正式に決めたことを伝えた。東日本大震災で事故を起こした福島第1原発を含め、同社の福島県内の原発は計10基すべての廃炉が決定した。

 東電HDは廃炉に要する期間を福島第1で30~40年、福島第2は40年超としている。小早川社長の発言はこれを少しでも短くしたい地元への配慮とみられる。だが、将来に目を向けると、もう一つの深刻な問題が浮かび上がる。

 福島第2を含め震災後に廃炉が決まった国内の原発は計21基に達し、運転可能なのは33基となった。このうち現在稼働しているのは9基にとどまる。残りは国の原子力規制委員会の安全審査中か審査前。あるいは安全審査は通過しても別に義務づけられたテロ対策工事が未終了の状態となっている。