日本政府の韓国向け輸出管理の厳格化で決定的となった日韓対立。根っこには歴史認識を巡る両国の立場の違いがある。戦後74年たっても、日本は戦後処理を終えられないでいる。
「安倍政権を糾弾する」「強制労働を謝罪せよ」──。8月3日、韓国・ソウルで、こんなプラカードを掲げた大規模集会が開かれた。前日に日本政府が輸出管理を簡略化する優遇対象国リスト、いわゆる「ホワイトリスト」から韓国を除外する政令の改正を閣議決定したことに抗議するためだ。韓国メディアによれば、韓国では日本製品の不買運動も広がっているという。
また「反日の夏」である。日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化した2012年夏に中国で大規模な反日デモが繰り広げられたことは記憶に新しい。中国各地で、暴徒化したデモ隊が日本車販売店や日系スーパーを襲撃。大きな被害をもたらした。
そしてこの夏、韓国で反日感情が強まっている。日本政府が7月に半導体材料3品目の韓国向け輸出管理を厳格化。管理強化の範囲が広がる8月2日の決定で、日韓対立は決定的となった。7年前の中国の反日デモのような「暴力」で気にくわない主張を押さえつけることにはならないと信じるが、韓国では「銃声のない韓日経済全面戦争が始まった」(中央日報電子版)など、おどろおどろしい論調も目立つ。
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