相互調達増え、競合少なく

 そして過去の例から見て、様々な場面で日本側に配慮した動きを見せるはずだ。東日本大震災の際は被害企業に無理な納期の要求をしないように日本法人に指示していた。工場に被害が出たソニーには部品を融通している。2013年、苦境に陥ったシャープに出資した際は救済の意図があった。

 こうした動きの背後には実利もあった。相互依存関係にあるサプライチェーンが震災で寸断すれば自社工場の稼働に影響するし、当時はシャープを各種パネルの調達先として有望とみていた。今回も完成品の市場として利益が見込めるから、日本に何らかの形で便宜を図る。関係を近づけて企業イメージを引き上げていく戦略を採用することになるだろう。

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日経ビジネス2019年6月3日号 16ページより目次

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