安倍晋三首相が衆参同日選を巡り「頭の片隅にもない」と繰り返している。ロシアとの平和条約交渉の進展が見られなかったことで「同日選は遠のいた」との見方が出ているが、本当だろうか。

 結論を先に言えば、夏の参院選にあわせて衆院選を行う衆参同日選について安倍首相は強く意識している。

 その一端をのぞかせたのが1月6日のNHK番組での発言だ。衆参同日選の可能性を問われた安倍首相は「これまでも国論を二分するような改革については国政選で勝利することで実施することができた」と指摘。「これまでの6年間同じことを申し上げてきたが、総選挙は頭の片隅にもない」と語った。

 政界では衆院解散時期については首相が嘘をついてもいいとされる。安倍首相は解散・総選挙について「考えていない」としながら2014年、17年と踏み切っている。こうした点も踏まえて首相本人や周辺に探りを入れてみた。筆者の感触は「大きな政治決断をする場合や同日選にした方が得策と判断した場合は大いにあり得る」というものだ。

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