リモート会議が問う「集まる意味」

 パソコンに向かって上司や同僚が話しかける光景は、オフィスの日常になりました。特に役職者は過酷です。休み無く続く会議をこなす姿に、マスクの奥の喉が枯れてしまうのではないかと心配になるほどです。リモートワークは、人々の時間に余裕を持たせたはずでした。しかし、その余白が実は会議で埋め尽くされてしまってないか。そんな懸念から「会議を開く意味」を考える取材が始まりました。

 情報共有が目的の会議は、チャットや動画共有でかなり代替できそうです。今は動画を倍速で視聴する時代。「後で見る」は隙間時間の有効活用につながります。一方で、過度に会議をスリム化すると組織のサイロ化につながりそう。リモートワークは目の前のタスクに集中しやすい環境です。没入し過ぎると、「自分の仕事時間を削る」と会議を敬遠しがちに。私自身、「この会議、意味があるのかな」と感じるときがありました。仕事に慣れてきた若手や中堅が陥りそうなわなです。視野が狭まってしまっていたのかもしれません。

 どんな企業でも存在する会議。そのあり方を問い直すことは、社員の成長を促し、組織の生産性を高める重要な近道になるはずです。

(鷲尾 龍一)

日経ビジネス2023年1月16日号 97ページより目次
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