250年後もあり続ける会社とは
産業人の使命は、この世の貧しさを克服することである。この使命達成を250年目と決め、25年を一節とし、十節で完成する──。
パナソニック創業者、松下幸之助氏が1932年5月5日の創業記念日に掲げた「250年計画」です。今から90年前、経営の神様は創業間もない会社が250年後もあり続けると規定。「水道哲学」や「企業は社会の公器」という言葉でサステナブル経営を先取りします。社会に求められ続けることが企業の持続性につながることを喝破していました。
そのお株を奪う会社が北欧にあります。今号の特集は「イケアの執念」。そこまでやるか、というサステナブル経営は常識破りです。電力を全て再エネで賄うために自らメガソーラーを運営し、取引先の脱炭素に資金支援。商品のリサイクルや中古品の回収にも本気で取り組み、女性活躍などのダイバーシティ経営では日本企業は足元にも及びません。
イケア運営会社トップの言葉も秀逸で「過ちを犯さなければいけない」と逆説的に挑戦を促す社風にこの会社の強さを見ます。彼らの挑戦を極端と見るか、未来の標準と考えるか。これを読んだ経営者の感想がその会社の持続性を決めそうです。
(磯貝 高行)
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