日本人はなぜ鉄道が好きなのか

 乗り鉄、撮り鉄、収集鉄……。「鉄オタ」や「鉄ちゃん」といわれる鉄道マニアは日本に2万人ほどいるそうです。電車に乗るのが好きな人だけでなく、写真を撮ったり、切符や駅スタンプを収集したり。ちなみに今号の特集「鉄道の岐路」を執筆した佐藤嘉彦記者は「乗り鉄」兼「収集鉄」だそうです。趣味を生かした取材に、さぞ熱が入ったことでしょう。

 小説『銀河鉄道の夜』から名曲「いい日旅立ち」、ゲームの「桃太郎電鉄」まで、日本人はとかく鉄道好きです。南北に伸びる国土が鉄道を主力交通機関とするのに適していて、分刻みの定時運行やレールの上を走る制約が、几帳面(きちょうめん)で保守的な日本人の精神性に合っているのかもしれません。

 都会で暮らす多くの人々にとって鉄道は故郷とつながる絆でもあります。一方、地方に住む人々にとって、地元の駅がなくなることは日本から取り残されたような気持ちになるのでしょう。

 1987年の国鉄分割民営化から35年。コロナ禍で業績が悪化したJR各社は赤字ローカル線の見直しに一斉に動き出しました。10月14日は開業150周年の「鉄道の日」。もはや郷愁だけでは維持できない鉄道の未来を考え直す時です。

(磯貝 高行)

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