トリックスターは夢見る子供
その一挙手一投足が注目される希代のトリックスター、イーロン・マスク氏。最近のツイッター発言から彼の頭の中をのぞいてみます。
「テスラは、地球上の生命を守るために。スペースXは生命をその先へ延ばすために」
「人口減少の危機を救うために最善を尽くす。少子化は文明が直面する最大の危機だ」
「人々を貧困から救い出す大きな可能性。インターネットの提供は、人々に釣りを教えることだ」
株価操縦の疑いなど問題発言ばかりが注目されるマスク氏ですが、日々のツイッターには「人類の危機を救う」というメッセージがあふれています。恐らく「世界のヒーローになりたい」という子供の頃の全能感そのままに大人になり、その夢の実現を疑っていないのがマスク氏なのだと思います。
誰もが夢想家だった子供時代を過ぎ、社会にもまれ、妥協と断念を繰り返す現実的な大人になっていきます。自らアスペルガー症候群を自認するマスク氏は、周囲の空気を読む大人にはならず、夢見る子供のままであり続けているのでしょう。
「妥協」「断念」の対義語は「追求」と「執着」。起業家に最も必要な資質です。
(磯貝 高行)
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