50にしていまだ惑ってます
「吾、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る」
あまりにも有名な孔子の論語の一節。すでに50歳を超えた私ですが、天命など知るべくもなく、いまだ惑うことばかりです。皆さんはいかがですか。
日経ビジネスの平均読者層は私と同じ50代です。三十数年間、脇目も振らず働いてきて、後進育成のために道を譲ったと思ったら「働かないおじさん」だの、職場で影が薄い「妖精さん」だのと言われてしまう。人生100年時代にもう一花咲かせてみませんか。そんな思いで作ったのが今号の特集「くすぶるな50代~『生涯現役』への分岐点」です。
興味深いのが特集内のアンケート調査。「定年後も今の会社で働きたいか」の質問に71%がNO、「今後、未経験の仕事に取り組みたいか」の質問には60.5%がYESの回答でした。つまり、ミドル世代の多くが今も新しい挑戦に飢えているのです。
紀元前の人、孔子の時代の平均寿命は50歳に満たなかったでしょう。そう考えれば人生の折り返し地点である現代の50代は「而立(じりつ)」の世代。「不惑」すらまだ早いのです。さあ、この仕事が終わったら次は何をしようか。惑い続けましょう。
(磯貝 高行)
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