ガラパゴスにならないために

 「ガソリン自体が悪いわけではなく、問題なのは二酸化炭素(CO2)です。欧州で電気自動車(EV)が主流だからといって、日本がそこに一辺倒になるわけにはいきません」

 今号の編集長インタビューで萩生田光一経済産業相は、欧州と中国が仕掛けるガソリン車からのゲームチェンジに異を唱えました。550万人といわれる国内自動車産業の雇用を考えれば、EVへの急速なシフトは国として耐え難いものでしょう。

 しかし世界は待ってくれません。ある国内自動車メーカー幹部は「このままでは日本はガラパゴスになってしまう」と危機感をあらわにします。かつて世界最高の機能を備えた日本の携帯電話がスマートフォンに駆逐されたように、世界の潮流に乗り遅れれば産業自体がなくなってしまう恐れがあります。

 今号の特集は「なぜ世界はEVを選ぶのか」。欧州や中国、米国でなぜ人々がEVを購入するのかを取材しました。そこには補助金などの優遇策や規制だけでなく、ウクライナ危機によるガソリン高を背景に当然のようにEVを選択している姿が浮かび上がります。いずれ世界はこう見るかもしれません。「なぜ日本はEVを選ばないのか」

(磯貝 高行)

次ページ 「稼げる技術」を多角的に分析する