東京は住みやすい街か
東京に住んで30年近くになりますが、うだるような夏の暑さには全く慣れません。都心ではコンクリートとアスファルトが熱を放射し、自動車の排ガスやエアコンの室外機からの熱風がさらに気温を高めます。コロナ禍のリモートワークの定着で、猛暑の中の通勤が減ったのがせめてもの救いです。
今号の特集は「TOKYO再起動」。2021年に東京23区からの転出者が25年ぶりに転入者を上回りました。足元では転入者が戻りつつあるものの、最も転出が多い世代は子育て世代の30代です。仕事をしやすい郊外の広めの家に引っ越す人が増えたことが要因ですが、もう一つ忘れてはならないのが都心の住宅価格の高騰でしょう。
東京カンテイ(東京・品川)の調べでは、東京都の新築マンション平均価格は20年に約8000万円で、平均年収の13倍を超えました。投資マネーの流入も一因で、東京は一般の世帯にはさらに住みづらい街になっています。
特集で紹介した世界の都市総合力ランキングでも東京は総合3位ですが、「居住」は9位、「環境」は17位まで落ち込みます。住みやすい東京への再生を期待したいところです。
(磯貝 高行)
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