願わくは時間的な猶予を
「今、ようやく大学生になったなと実感しています。友達と学校帰りに食事するのが本当に楽しい」──。慶応義塾大学環境情報学部の女子学生が口にした言葉ほど、この4月に3年生になった2024年卒生が置かれた状況を如実に表すものはないように思います。
24年卒生は入学当初からコロナ禍に直面しました。入学式もなく、授業やサークルの情報を収集するのもツイッターを通じて。同級生とも教員ともリアルでは会えない。そんな2年間を送ってきたのです。
いわばコロナ世代の24年卒生にとって、多くの大学でリアルな授業が原則になり、サークルやクラブ活動の制約もなくなったこの4月以降は、まさにキラキラとした青春の日々でしょう。
早ければ、7月ごろから24年卒生もインターンシップのような形で就職活動をスタートさせます。冒頭の女子学生は「正直、大学時代を延ばしたい。後輩たちがうらやましい」とこぼしました。
大学生活のエピソード不足に対応するためにも、学業できちんと学生を評価しようというのが第2特集の主眼です。ただ、かなうのなら、ふんだんなエピソードを蓄積できるだけの時間的な猶予を与えてあげたいと思わずにはいられませんでした。
(奥平 力)
有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。
※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。
※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。
この記事はシリーズ「編集長の視点/取材の現場から」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?