「からあげクン」もお手上げ

 ローソンが1986年の発売以来、初めて「からあげクン」を値上げします。36年間、税別200円を守り続け、累計37億食を販売した看板商品。ローソン・竹増貞信社長は値上げ発表前のインタビューで「鶏の餌になる穀物が急激に上がっている」と苦しい胸の内を語っていました。

 今号の特集は「絶望物価」。衝撃的なタイトルには理由があります。脱炭素に伴う資源高やコロナ禍による供給網の混乱が続く中、ロシアのウクライナ侵攻がエネルギーや穀物の価格をさらに急騰させ、足元では円安が急速に進む……。今のインフレには「狂乱物価」と呼ばれた石油危機の時代にはなかった複雑な要因が絡み合っています。

 多くの商品で値上げラッシュが起きていますが、企業はまだまだ我慢を続けています。3月の企業物価指数が9.5%と記録的な上昇だったのに対し、消費者物価指数は0.8%の上昇。価格転嫁はこれからが本番で、需要拡大と賃金上昇を伴わない「悪い物価上昇」が日本経済に重くのしかかります。

 今号の表紙は寂しすぎる一杯のざるそば。インフレと景気後退が続く「スタグフレーション」に陥らぬよう、政策を総動員する時です。

(磯貝 高行)

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