形だけのガバナンスに終止符を

 日本で最初にCEO(最高経営責任者)を名乗ったのは、ソニー(現ソニーグループ)創業者の一人、盛田昭夫氏といわれています。当時のソニーが1976年、CEO制度を導入しました。CEO制をどうブラッシュアップしてきたのか。同社に聞いたところ「当時の事情や現在までの移り変わりの詳細を話せる者がいない」(広報担当者)。残念ながら理解を深められませんでしたが、同社はガバナンス(企業統治)を「形ではなく、極めて重要なもの」と位置付け、独自ルールを設定するなどして成長の礎としてきました。

 2月28日号の第2特集では、山口フィナンシャルグループ(FG)の代表取締役会長兼CEOの吉村猛氏解任の経緯を詳報しました。ガバナンスの強化がうたわれる昨今。多くの大企業は監査等委員会設置会社などに移行し、取締役会が執行側を監督する重要性が増しているのは言うまでもありません。もっとも、ある弁護士は「形だけ整えている企業も多い」と指摘します。監督と執行の在り方を問う山口FGの問題は、1社だけの問題ではないはずです。

(小原 擁)

日経ビジネス2022年2月28日号 112ページより目次

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