ゲームチェンジを起こせるか

 「脱炭素」という世界経済のゲームチェンジにいや応なく巻き込まれる日本企業。その中で、ルールが変わったことを前提に経営を変え、成長につなげようとする日本企業はどこか。今号の特集「脱炭素経営ランキング」では、68人の専門家の投票でその本気度や先進性、実行力を評価しました。

 その結果をみて改めて残念に思うことがあります。上位にランクインしたのはトヨタ自動車や花王などESG(環境・社会・企業統治)経営に優れた一流企業ばかりですが、まだゲームチェンジを起こす側にはないということです。脱炭素社会に向けた取り組みは真剣でも、世界をリードする日本企業はまだほとんど登場していません。

 昨年11月1日号の特集「グリーン敗戦」では、経営危機の石油会社から洋上風力発電の世界最大手に変身したデンマーク・オーステッドや、再生燃料の巨人のフィンランド・ネステなど「グリーン・ジャイアント」と呼ばれる企業を取り上げました。電気自動車(EV)の米テスラをはじめ、先駆者には巨額のマネーが集まり、後続との差を広げます。

 脱炭素の競争を勝ち抜き、自らルールを作る側に回るトップの覚悟が問われています。

(磯貝 高行)

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