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 「それって絶対食べちゃいけないやつじゃないの?」「一体、何でできているんでしょうかねえ」

 今号の特集は「食糧」。先日、取材班の江村記者が自宅にある奇妙なフライドポテトの写真を見せてくれました。手を伸ばせばそのまま食べられそうな、よく見るフライドポテトです。しかし、このフライドポテト、普通ではありません。腐っていかないのです。彼がこれを購入したのは2014年。室温で保存し続けること6年。カビひとつ生えない状態が続いています。

 今のところ原因は不明で再現性があるかも分からないので、店名は伏せますが、皆さんもよく知る大手ファストフード店のフライドポテトです。手に持つとまるでプラスチックのような感触で、力を入れると枯れ枝のように砕けるのだそうです。企業努力は時に恐ろしいものです。

 米モンサントが始めた除草剤「ラウンドアップ」のビジネスモデルも驚きでした。名前のイメージ通りほとんどの植物を枯れさせるほどの強力な農薬を販売する一方で、遺伝子組み換えによってそのラウンドアップでも枯れない耐性を持つ大豆やトウモロコシの種子を売るというビジネスモデルです。

 後にモンサントを買収した独バイエルはラウンドアップの発がん性を争う訴訟の和解に1兆円超を費やします。農場では進化してラウンドアップ耐性を持つ雑草が出現しています。

 人類がこうした奇妙な技術を使った食糧に頼っているということは、まだまだ取り組まなければならない課題は多いということでしょう。

日経ビジネス2020年11月23日号 9ページより目次