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 先日、日本経済新聞に毎年恒例の世界シェア調査が掲載されました。2019年の各種製品・サービスが対象で、日本企業がシェア1位だった品目は7つ。この調査が始まった時も同じような水準だった記憶があり、調べてみると調査を開始した00年は8つ。残念ながら1つ、世界トップが減っていました。

 およそ20年間、日本企業は頑張ってきたものの、わずかながら世界での存在感がなくなった、と言えるかもしれません。しかし、調査をよく見るとその慎重な見方でも楽観的すぎるかもしれないという気がしてきます。

 00年は調査対象が全11品目中でトップが8。19年は74品目で7。しかも、CMOSセンサーや偏光板、携帯用リチウムイオン電池など日本企業が得意とする部材・素材を対象に追加してきてこの結果。その素材でも今回はリチウムイオン電池向け絶縁体で中国企業に首位を奪取されました。

 00年時点で1品目もなかった中国は12品目に躍進。産業の空洞化を懸念されていた米国は25品目を占めます。

 1980年代にエレクトロニクスと車で世界を席巻した日本企業は追いかける目標がなくなったことで長期低迷に入ったといわれます。しかし、目標は再びすぐ目の前に現れています。

 今号の特集は「新しい働き方」。かつては最強とうたわれた日本型雇用は「追いつけ追い越せ」のために、その時代の環境に合わせて最適化された仕組みでした。コロナ禍で全てがリセットされる今、もう一度追撃のために最適化された働き方を整え直す時を迎えています。

日経ビジネス2020年9月14日号 7ページより目次