航空会社のスカイマークの社長が2月13日に交代しました。新社長の洞駿さんは72歳で、前社長から12歳も年齢が上がる異例の人事。交代時期も普通ではありません。

 同日の記者会見に前社長は出席せず。会長であり投資ファンド、インテグラル代表の佐山展生さんは退任理由について「本人に聞いてください」と答えました。これは尋常ではありません。健康問題ではないようです。本人か、その人を選んだ方々に何らかの「失敗」があったのは間違いありません。

 スカイマークはANA、JALに対抗する「第3極」を標榜する格安航空として発足。2015年に経営破綻し、インテグラルとANAの支援で順調に再生の道を歩んできました。ただ、機体整備などの業務をANAに委託し安定運航を実現している一方、佐山会長は大手2社に対抗する第3極の旗を降ろさず、大株主であるANAとインテグラルの間には緊張関係が続いていました。

 前社長を推薦したのはANA。退任はインテグラルが画策したと見る向きもありますが、実際にはANA側が働きかけ、インテグラルが共同歩調をとったようです。緊張はむしろ緩和に向かっています。そもそも新型コロナウイルスが航空に大打撃を与える中、いがみ合っている場合ではありません。

 今号の特集は「失敗」。失敗という出来事はマイナスに違いありませんが、それが引き起こす化学反応はプラスへの転化が可能です。スカイマークの今回の「失敗」が現下の難局にANAとインテグラルが力を合わせて立ち向かう契機となれば。

日経ビジネス2020年3月2日号 7ページより目次

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