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 日経ビジネスは創刊から50年を迎えました。半世紀もの長きにわたり情報発信を続けてこられましたのは、読者はもちろん、取材にご協力いただいた方々、事業に関わる皆様のおかげです。心より御礼申し上げます。

 創刊した1969年10月は当時では戦後最長だった、いざなぎ景気の真っただ中。創刊直前には日本がGNP(国民総生産)で西ドイツを抜き、世界第2位の経済大国になったと経済企画庁が発表しました。国民が高度経済成長を実感する一方、東大安田講堂事件などの学生運動に荒れた年でもありました。新たに形作られる資本主義の枠組みや国際秩序を前にした不安がエネルギーとなって発露したかのようでした。

 経営学者のピーター・ドラッカーが著作『断絶の時代』をまとめたのもその頃。技術革新や経済のグローバル化などにより、「非連続」が経済、政治、社会の構造や意義を変えつつあると指摘しました。ただ「まだはっきりとは現れていない」と書かれていました。

 50年後の今。非連続は明確に世界を覆っています。自国優先主義は世界の安定を揺るがし、大国の関係は日替わりの様相を呈しています。デジタル技術は今日の勝ち組を明日の負け組に追いやる勢いです。将来を保証された企業はありません。

 明日が見えない時代にあって、日経ビジネスは変化の最前線を見張る目として、皆様に寄り添い、役立っていきたいと考えています。時には足元を照らすトーチとなり、炭鉱のカナリアとなります。その役割を果たし続けられるよう全力を尽くします。

日経ビジネス2019年10月7日号 7ページより目次