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 自動運転の実力はどれぐらいまで上がってきているのでしょう。

 自動運転実験の先進地である米カリフォルニア州で昨年最も自動運転車を走らせたのはグーグルのグループ会社ウェイモ。11月末までの1年間で地球50周分となる約202万kmを走らせ、この間に人が運転に介入したのはわずか114回。割り算すると東京~カリフォルニア間の往復に相当する超ロングドライブで1回となります。「介入」だけで見ると近所に買い物に行く時にさえ同乗する家族に「危ない!」と注意されることのある私を超えています。

 ウェイモのブログを見て驚くのは進化の速さ。1000マイル(約1600km≒青森駅~博多駅)あたりの介入回数が2015年の0.64から18年は0.09にまで減っています。17年比でも半減していますから変化は劇的。得意のAIがフル回転で学習しているのでしょう。

 先日、運輸業界に詳しいある国会議員が「自動運転の共同研究を始めると業界問わず名だたる企業が集まるが、変化に乗り遅れないようにと情報を取りにきている態度の会社が多い」と嘆いていました。日本が巨人グーグルに対抗するには企業連携が不可欠ですが、烏合の衆では意味がありません。テクノロジーで世界を変えることが使命だと変化を仕掛けるグーグル。「変化に対応する」「変化に備える」という姿勢では対抗は難しいかもしれません。

 今号の特集は流行の「オープンイノベーション」。自動運転だけではありません。「変化を仕掛ける」思いを企業間で共有することが成功への第一歩でしょう。

日経ビジネス2019年7月15日号 7ページより目次