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 「シャープの天理工場の裏には古墳のような山があるらしいよ。大量の液晶の不良品を廃棄してできた山が」

 1990年代前半。ある電機メーカー幹部が言ったこんな陰口を思い出します。高精細な液晶はブラウン管に代わる夢の表示装置。生産困難で、当時は歩留まりが半分を少し超えたぐらい。最大手のシャープはさぞ不良品が出るだろう、とささやかれていたのです。もちろん陰口を言った会社も同じ状況。各社は低い歩留まりに悩みながら夢を追っていました。当時の日本勢のシェアは約9割。世界を席巻していました。