(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 東京都の2022年1月1日時点の推計人口は、1398万8129人だったのだそうだ。昨年1年間で4万8592人減った計算になる。この調査で都の人口が減るのは26年ぶりだそうだ。

 人口減少の原因としてまず考えられるのは、コロナ禍の影響だ。21年は、経済活動が停滞した一年だった。東京都内の人口移動も減ったはずだ。

 リモートワークがある程度定着したことも無関係ではなさそうだ。というのも、一般にホワイトカラーの勤務はリモートワークないしはテレワークに適しているからで、そのホワイトカラー労働に従事する人口の多くは、結局のところ東京に住んでいるからだ。

 働く側から見れば、わざわざ満員電車でオフィスに出勤するのは面倒だということになるし、経営側から見ても、賃料の高い都心にオフィスを借りて従業員を働かせるのは、コストの点からも労働時間のロスを考慮しても不合理という結論になる。

 結果、東京で働く勤労者が、通勤圏内に自宅を構える必要性は薄まる。と、当然、隣接する他県に転出する人口が増える。この展開は理の当然というのか経済上の必然でもある。

 そもそも、この四半世紀近く、日本全体の人口が減少するなかで、東京の人口だけが増加し続けてきたのは、知識集約型産業ならびに高付加価値労働が、東京に一極集中してきたことの結果だった。要するに、東京に住んでいたほうが割のいい職が見つけやすかったわけだ。

 ところが、このたびのコロナ禍を契機に、今後、その高付加価値のホワイトカラー労働が、少しずつであれリモートに転じるとすれば、東京への人口の一極集中は終わる。というよりも、逆に都内から近県への人口の転出がはじまる可能性が高い。

 無論、昨年の東京の人口減少を、コロナ禍を反映した短期的な例外だと考えることも可能ではある。いずれにせよ先のことはわからない。ただ、お国が何らかの手(それも相当に思い切った施策)を打たない限り、今後も人口は一本調子で減り続ける。