(イラスト=小田嶋 隆)

 トランプ前米大統領一族の中核企業「トランプ・オーガニゼーション」に対して、米ニューヨーク州司法当局による刑事捜査が開始された。トランプ氏は、不正行為を否定した上で、同州のジェームズ司法長官が「犯罪を必死で探し回っている」と述べ、この捜査を「アメリカ史上最大の政治的な魔女狩りの延長」としている。なんだかトランプがオーナーをやっていたプロレスのリングアナウンスみたいな言いざまだ。

 すでに半年以上前からのことなのだが、私は、トランプ氏関連のニュースを読み解く力を喪失している。それというのも、トランプ寄りのメディアおよびジャーナリスト経由で流れてくる情報と、反トランプのニュースソースから出てくる記事の内容が、あまりにもかけ離れているからだ。

 それでも去年までの段階では、私は、米国のこの極端な分断状況を、「大統領選挙の副作用」と受け止めて、タカをくくっていた。どんなにひどい分断が進行しているように見えても、最終的に選挙で決着がつけば、沈静化するだろうと考えていたわけだ。

 ところが、どうやら米国の現状は、私が思っていたほどなまやさしい地獄ではなかった。

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