(イラスト=小田嶋 隆)

 バイデン米大統領は、米国内の18歳以上の全成人を新型コロナウイルスワクチンの接種対象とする期日を、従来の5月1日から約2週間早め、4月19日に設定することを発表した。

 今回ばかりはアメリカの底力を思い知らされた形だ。なにしろ、バイデン大統領が就任してからの75日間ですでに1億5000万回のワクチン接種が行われたというのだ。単純な割り算で、1日あたりで200万人分だ。ワクチンを調達し、運搬し、接種に当たる人員を確保・配置し、アナフィラキシーにその場で対応する体制を整え、場所を用意したことを考えると、このワクチン接種がロジスティックスを含めて高度なミッションであることがわかる。やはり世界最強の軍隊を持っている国は違う。とにかく、そんなこんなで、バイデン政権は、当初、全成人の90%と告知していた接種対象を全成人に拡大したうえで、全員への接種を達成する目標日を、2週間前倒しにすることに成功している。うん。すごい。

 トランプ政権時の初動のモタつきや、大統領選挙をはさんだ政治空白の影響もあって、アメリカの新型コロナ対策は、世界的に見ても後手に回った形だった。死者、患者数ともに最悪のカーブで推移していたと言ってよい。

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