
酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕された人気グループ「TOKIO」の元メンバー、山口達也容疑者の事件は、NHKを含めたテレビ各局によって異例のヘビーローテーションで報じられている。
建前論を述べるなら、山口達也氏はすでに芸能界を引退した一般人だ。道路交通法違反の微罪をあえて報じる理由はないはずだ。かつての有名人としての報道価値があるのだとしても、手錠姿で警察署から出てくる姿を繰り返しVTR再生する必然性はまったくない。あの警察署前の映像は、ヨーロッパならどこの国でも人権侵害として問題視されることになるはずだ。
でもまあ、事情はわかる。要するに、原則がどうだとか前例がどうしたとか、人権がハチのアタマだとかいった話は別として、なによりこれは「数字のとれる事件」なのである。山口容疑者は、誰もが知るアイドルグループの一員として巨大な人気を誇っていた人物だ。知名度はいまだに衰えていない。
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