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(イラスト=小田嶋 隆)

 マスクの着用について、そろそろ我慢の限界に到達している人々が現れはじめている。いや、私自身、うんざりしていないのかと問われれば、うんざりしている。もともと耳の後ろの肌が弱い体質なので、マスクの材質や形状によっては出血を余儀なくされていたりする。で、レストランで血染めのマスクを外す時の周囲のどよめきに、毎度、静かに動揺している次第だ。

 そんな空気の中、9月上旬には、釧路空港から関西国際空港に向かう機内でマスクの装着を拒否した男性が、新潟空港で降ろされた事件があって、ひとしきり話題になった。

 もっとも、このニュースについては、最初に配信した新聞記事が、乗客がマスクの装着を拒否した事情を強調していたこともあって、記事を最後まで読まなかった読者の多くは、乗客が降ろされた理由を「マスク装着の拒否」だと勘違いしていたようだ。

 なるほど、昨今目立つケースだ。