
この8月6日と9日に、広島と長崎は、相次いで75回目の「原爆の日」を迎え、それぞれ平和式典を開催した。
で、例によって、来賓として参列した安倍晋三総理大臣の挨拶が酷似していたことが話題になっている。毎日新聞が伝えるところによると、なんと使われている文言の93パーセントが一致しているという。
たしかに、ふたつのスピーチの文面を見比べてみると、地名と日付を入れ替えてはいるものの、使われている言い回しや、構成、形容詞や締めの言葉にいたるまで、まったくの「コピペ」(Copy & Paste、焼き直し)であることがわかる。
いや、毎年同じ式典で、そっくりな内容の追悼文を読み上げる以上、内容が常套句中心のカタにハマった文章になることは、これは仕方がない。私もそこを責めようとは思っていない。
私自身、いまこの原稿を書きながら、「そういえばこの原稿、去年も書いたおぼえがあるぞ」というデジャブに襲われてもいる。これは、実はコラムニストにはよくある経験だ。同じテーマについての原稿を複数の媒体に依頼された場合、結果としてかなり似た原稿を書き上げてしまうことになる。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り851文字 / 全文1345文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「小田嶋隆の「pie in the sky」~ 絵に描いた餅べーション」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?