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(イラスト=小田嶋 隆)

 ほとんどすべての社会活動が停止している。不自然なポーズ状態だ。

 「夢じゃなかろうか?」と、足元を見つめ直してみたりしているのだが、いまだに事態をうまく咀嚼することができない。なんだか、見ていたブルーレイの映画を途中でポーズして食卓の片付けをしている時みたいな気分だ。おそらく、この停止状態を、自分なりに消化できている日本人はとても少ない。逆に言えば、一般国民がこんな状態に慣れてしまうようだったら、その国の未来は危ういはずだ。

 で、議論がはじまる。

 われわれは蟄居に疲れている。で、論争でもしていないと間が持たなくなっている。だから、様々な場面で、不要不急な言い争いや、不必要な罵り合いがはじまっている。なんとも不毛なDV誘発環境ではなかろうか。

 そんな中で、多少とも中身のありそうな議論として、テレビや新聞が取り上げているのは、このコロナ禍による一時停止状態を利用して、いっそ学校の新学期および入学の開始時期を9月にズラすのはどうかというお話だ。

 実は、この話(国際社会の趨勢に合わせて、日本の学校制度を9月入学にシフトしようとする議論)は、留学事務を扱う人々などが、何度か持ち出しては、その度に、「現場の混乱」を理由に握りつぶされてきた案件だった。