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(イラスト=小田嶋 隆)

 3月24日の夜、安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との電話での会談を終えた後、7月に開幕する予定だった「東京オリンピック・パラリンピック2020」(以下、単に「五輪」と略称します)の開催を、1年程度延期する意向を表明した。

 NHKの報道は、なぜなのか「トランプ米大統領の支持をいちはやく取り付けた安倍総理のリーダーシップ」という感じのストーリーを強調している。が、実態はどうか。

 まず、五輪の開催主体は都市、すなわち「東京」であって、国=「日本」ではない。つまり開催の可否や延期の判断を含めて安倍首相は決定権を持っていない。もちろん、これは建前だ。しかし、そうした建前をかなぐり捨てて、IOCが「金主」たる「日本」の首相の意思を尊重した事情が仮にあったのだとしても、安倍さんの指導力を強調するのは筋違いだろう。

 というよりも、そもそも今回の延期の判断は、国際情勢が予定通りの開催を許さなかったという「必然」の結果であって、そもそも特定のリーダーの「決断」によるものではない。