(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 2月17日、東京オリンピック・パラリンピックの大会モットー「United by Emotion」が発表された。選定には女優の草刈民代氏らが参加したという。私は、恥ずかしながら「大会モットー」というものがあるとは知らなかった。で、ホームページの解説を見に行った。そもそも大会モットーとは何なのか。

 《大会モットーとは、大会ビジョンを研ぎ澄まし、大会の主催者が世界と共有したいアイデアやコンセプトの本質をとらえる3~5ワードのシンプルな英語のメッセージです。》《参考和訳は「感動で、私たちは一つになる」です。》 とある。わかったようでわからない。そこで、さらにさかのぼって「大会ビジョン」を見に行ってみる。

 《スポーツには世界と未来を変える力がある》というメッセージと、その下に、やや小さめの活字で、《1964年の東京大会は日本を大きく変えた。2020年の東京大会は、「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、「そして、未来につなげよう(未来への継承)」を3つの基本コンセプトとし、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。》というボディコピーが書かれている。

 正直なところ、ほとんどまったく意図を読み取ることができない。なんだかIT業界の新製品発表会だとかキックオフイベントだとかで、若手経営者がブチあげる意味不明のスピーチみたいに聞こえる。というか、適当に横文字を並べたハッタリにしか見えない。

 もっとも、ビジョンだとかモットーだとかいったものは、しょせんは飾りだ。その種の文言が大会を作っているわけではない。基本的には関係者個々人の努力と忍耐が大会を支えることになるのだろう。