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(イラスト=小田嶋 隆)

 2月4日(米国時間)のトランプ米大統領による一般教書演説の模様は、衛星経由の電波を介して、わが国のテレビでもほぼそのままライブ中継された。

 まず驚かされたのは、演説のために下院に到着したトランプ大統領が、ナンシー・ペロシ下院議長の差し出す右手を無視して握手を拒絶したことだ。

 私自身、大統領が野党を攻撃する内容のスピーチを展開するであろうことは、なんとなく予想していたのだが、演説が始まる前に下院議長への敵意(あるいは軽蔑だろうか)を、これほど露骨に態度にあらわすとまでは思っていなかった。いや、驚いた。

 米国政治の専門家が、なにかにつけて「アメリカの分断」という言葉を繰り返すことに「なんとかのひとつ覚えじゃないか」と、食傷していた自分の愚かさを反省した。なるほど、了解した。専門家の諸先生方のおっしゃるとおり、あの国はこれ以上ないほどきっぱりと分断されている。