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(イラスト=小田嶋 隆)

 中国政府は、湖北省武漢市を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について、1月20日以降、順次、情報公開に踏み切っている。22日に湖北省が公開したところでは、同省の感染患者は444人に達し、死者も17人になっている。感染は、日本、韓国、米国などにも及んでおり、春節を間近に控えたタイミングで、中国からの大量の旅行者の来訪が予想されるわが国の観光地でも懸念が広がっている……と、各紙の記事を要約するとこんな感じになるのだが、世間の空気は、新聞の論調とはまた別だ。

 ありていに言って、多くの日本人は、コロナウイルスの感染力をさほど恐れていない。自分がまさか新型肺炎に感染するとも思っていない。私も、どちらかといえばこちらの組に属している。冷静に対応しているとか、状況を的確に分析できているとか、そういうことではない。単に考えるのがめんどうくさいから、肺炎の情報を軽視している、というだけの話だ。