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(イラスト=小田嶋 隆)

 米国の議会がトランプ米大統領の弾劾に向けて本格的に動き出した。

 当稿執筆時点は2019年12月なのだが、内外のメディアは、一両日中に下院で弾劾案が可決される見込みである旨を一斉に配信している。もう、この流れは変わらない。トランプ氏は例によって激越な口調で民主党と議会を攻撃しているが、ことここに至った以上、大統領が何を言ったところで、状況は変わらない。

 もっとも、下院で弾劾案が可決されて訴追がはじまったのだとしても、上院では共和党が多数派を占めている。このため、20年初頭に行われる見込みの弾劾裁判で、トランプ氏が有罪・罷免となる可能性は低いといわれている。

 とはいえ、現職の大統領が、弾劾訴追のプロセスに組み入れられることの影響は、やはり無視できない。

 おそらく、トランプ大統領は、今後、自身の弾劾の問題にかかりきりになる。と、その間、米国の政治や外交は、一時的にストップせざるを得ない。

 いや、空白は「一時的」では済まない。この先、少なくとも1カ月ほど、大統領は、自己保身(弾劾裁判での罷免の阻止)以外のすべての問題を投げ出さざるを得ないはずで、その大統領の全面的な執務放棄は、米国の内政、外交、経済に、相当にとんでもない影響を及ぼすことになるだろう。

 個人的には、北朝鮮をめぐる状況が混乱に至る可能性を懸念している。