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(イラスト=小田嶋 隆)

 甚大な被害をもたらした台風19号が海上に抜けた10月13日、自民党は、緊急役員会を開いたのだが、このタイミングは、台風上陸の数日前から情報発信を繰り返していた気象庁の対応と比べてみると、やはり、後手にまわった印象を受ける。

 緊急役員会の冒頭であいさつをした二階俊博幹事長の言葉がまたひどかった。二階氏は「予測されて色々言われていたことから比べると、まずまずで収まったという感じだ」と述べている。無神経や失礼という言葉では言い尽くせない、粗雑陋劣な暴言だ。

 事後の対応も論外だった。15日に開かれた記者会見で、幹事長は、自身の発言について「日本中がひっくり返るような災害に比べればということだ」と弁明したのみで、謝罪や撤回については明言を避けている。

 百歩譲って二階氏寄りの解釈をすれば、「まずまず」という言葉は、「色々言われていたことから比べると」という条件節を受けた評価だ。その意味では「ガンに比べれば肺炎はまだマシな病気だ」「即死に比べれば全治3カ月はまずまずの負傷だよね」といったよくある言い方のバリエーションにすぎない。それゆえ、二階氏の事後の弁明も、形式上は成立する。

 とはいえ、災害勃発の翌日に、その災害への対策を話し合う政府与党の緊急役員会で、党の幹事長が、冒頭の挨拶として発した言葉として吟味すると「まずまず」は、あまりにも災害を軽く見た言い方である。ついでに申せば、自身のその発言をただちに謝罪撤回しようとしなかった今回の一連の態度は、国民を舐めたやりざまでもある。