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(イラスト=小田嶋 隆)

 ツイッターは、この10年ほど、わが国で最も利用者の多いSNS(交流サイト)の地位を譲っていない。人気の理由は、「リツイート」と呼ばれる機能の手軽さとわかりやすさにある。リツイートとは、他人のツイート(書き込み)を、そのまま再拡散する動作で、ツイッター上ではボタンを1つ押せば済む。

 ツイッター上で誰かの面白い発言を見かけたら、そのツイートの横にあるリツイートボタンをクリックする。と、自分のアイコン(シンボル画像)を付加した形で、当該ツイートを再拡散できる。この結果、影響力のある言葉が大量に再拡散されることになり、それらの大量のリツイートによる噂やデマが、疑似民主主義のコロモをまとった形で、数々の炎上ネタを演出してきたわけだ。昔も今も人々は不確かな噂やまことしやかな断言が大好きで、だからこそ、このツイッターという手のひらの中の世間は、容易に黙らない。

 さて、そのリツイートに関して、興味深い判決が出た。元大阪府知事の橋下徹氏が、ジャーナリストの岩上安身氏による橋本氏批判の「リツイート」で名誉を傷つけられたとして慰謝料など110万円の損害賠償を求めていた訴訟で、9月12日、大阪地方裁判所が33万円の支払いを命じたのだ。