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 8月から開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の企画展「表現の不自由展・その後」をめぐるゴタゴタは、なかなか落着しない。

(イラスト=小田嶋 隆)

 そもそもこの企画展は、大村秀章愛知県知事が、芸術監督にジャーナリストの津田大介氏を起用し、「ちょっととんがった芸術祭にしたい」と要望したことで実現したものだった。

 で、同展示は、知事と芸術監督の意図を体現した、挑戦的な(というよりも「炎上しがちな」)内容でスタートすることになり、8月1日開幕の「あいちトリエンナーレ2019」は、現代アートの世界にとどまらない、幅広い層の耳目を集めることに成功している。ここまでは良い。

 ところが、開幕翌日の8月2日、芸術祭の実行委員会会長代行の任にある名古屋市長の河村たかし氏が、元従軍慰安婦を題材とする「平和の少女像」などを視察したうえで、同展示について「日本国民の心を踏みにじる行為」などと、抗議文を送付した。さらにこれを受けて、菅義偉内閣官房長官らが同展への補助金交付差し止めを示唆するコメントを発した。

 少女像の展示には、折から、脅迫のファクスや抗議の電話などが殺到していたこともあって、大村知事は、3日になって展示の中止を決断している。

 以上が大まかな経緯だ。