7月26日の夜に放送された、櫻井よしこ氏司会のインターネット番組の中で、自民党の萩生田光一幹事長代行が、大島理森衆議院(以下衆院)議長の交代を示唆した。

(イラスト=小田嶋 隆)
(イラスト=小田嶋 隆)

 具体的には、萩生田氏は、「今のメンバーでなかなか動かないとすれば、有力な方を議長に置き、改憲シフトを国会が行うのは極めて大事だ」という言葉で、改憲シフトのための議長人事の必要性を語っている。

 驚くべき暴言と申し上げねばならない。衆院の議長を、いったいどこの誰が、いかなる権限において、「交代」あるいは「更迭」できるというのだろうか。立法府の長である衆院議長のクビを、内閣のメンバーがすげ替えることは、三権分立の原則からして、不可能だ。与党のいちメンバーにすぎない幹事長代行が、衆院議長の人事に言及するなど、重大な越権行為以外のナニモノでもない。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り970文字 / 全文1330文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「小田嶋隆の「pie in the sky」~ 絵に描いた餅べーション」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。