
「2020東京五輪」は、来年の7月24日に開会式を迎える。ということは、この原稿が活字になるころには、「開幕まで1年」の区切りを過ぎている。おそらく、テレビをはじめとするメディア各社は、総掛かりでカウントダウンをあおっていることだろう。
とはいえ、聞こえてくるのは耳を疑うヤバいニュースばかりだ。
思えばケチの付きはじめは、新国立競技場の設計図だった。コンペを経て設計者の座についたザハ・ハディド氏(故人)が出してきたプランが、予算を大幅に上回るバブリーな巨大建築物だったからだ。で、21世紀になってこのかた不況のトンネルの中で暮らしてきたうちの国には無理です……ってなことで、設計者を変更して、ややこぢんまりとした新スタジアムの設計決定にこぎつけたのが、2015年のことだった。
ところが、16年の春になってみると、なんとその隈研吾氏設計による木製スタジアムの設計図に聖火台を置く場所がなかったことが判明する。「なんと間抜けなミスだ」と、私自身、その当時は立腹していたのだが、じきに忘れてしまった。いや、無念だ。
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