内閣は、6月18日に開催された会議で、退職後の老後資金として「2000万円が不足する」とした金融庁の審議会の報告書に関する野党議員からの質問主意書について、「回答を差し控えたい」とする答弁書を閣議決定した。

「こんなことまで閣議で決めるのかよ」
という定番のツッコミは控えておく。
政府が閣議決定をするのは、議員から質問主意書が提出されているからで、ということは、内閣が奇妙な閣議決定を連発している理由の少なくとも半分は、野党側が奇天烈な質問主意書を連発しているからでもある。
とはいえ、今回のケースに限って言えば、野党側の質問はしごく穏当なものだ。さらに、大げさに言えばだが、「回答を差し控えたい」という回答は、言論の府たる国会の存在意義そのものを全否定しかねない。なんとなれば、野党の質問を政府が黙殺できるのであれば、国会での議論はそもそも成立しようがないからだ。
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